続々と出版社が「小説家になろう」に食指を動かす事態に。
メディアファクトリーが「小説家になろう」から作品を青田買いするレーベル「MFブックス」を創刊
触手を伸ばす?食指を伸ばす? - Yahoo!知恵袋http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213797637
5300万超アクセスの人気小説を書籍化 メディアファクトリー新レーベル「MFブックス」創刊 | ダ・ヴィンチ電子ナビ
http://ddnavi.com/news/146998/
ここ数年で書籍化され話題を集めている「ネット小説」「web小説」と呼ばれるインターネット上にアップロードされた作品からの刊行を多数計画しているということだ。
ヒーロー文庫が創刊以来売れに売れまくってるから二番煎じを狙った感がもの凄くするんですけど…! というかラインナップ的にすごくアルファポリスとデジャヴる…
ちなみにラインナップに出ている第1弾と第2弾の作品ですが全部「小説家になろう」の作品ですね。
- 盾の勇者の成り上がり
- Web原作:盾の勇者の成り上がり
- ライオットグラスパー〜異世界でスキル盗ってます〜
- Web原作:異世界で盗賊やってます
- 詰みかけ転生領主の改
- Web原作:詰みかけ転生領主の奮闘記
- ネトオク男の楽しい異世界貿易紀行(仮)
- Web原作:ネトオク男の楽しい異世界貿易紀行
- ドラグーン(仮)
- Web原作:ドラグーン
- フェアリーテイル・クロニクル(仮)
- Web原作:フェアリーテイル・クロニクル
どれも少なくともプロローグか1章は読んだことがあるんですが、書籍化と聞いても「お、おう…」というコメントしか出てこない… 「異世界で盗賊やってます」は編集さんが頑張れば何とかなりそうな予感がしないでもないけど。
先日書いた「小説家になろう」の三大人気要素と書籍化作品の傾向の三大要素「異世界・転生(転移)・チーレム」がどの作品もほぼそのまま踏襲されてるトコが我ながら凄いと思います。(笑
しかしこういった作品なのに30〜40代をターゲットというのが解せぬ… 電撃文庫だと30〜40代をターゲットにメディアワークス文庫を創刊したけど明らかに方向性が違うし。
メディアファクトリーは30〜40代を馬鹿にしているのであろうか…
余談ですが「盾の勇者の成り上がり」の人気の秘訣は毎日朝10時に必ず更新するという所にあると思います。(オブラート
林檎プロモーションという罠
もしかしたら「良い作品が林檎プロモーションのフェザー文庫やフリーダムノベルに取られるくらいならいっそ先に自分で…」という考えもあるのかもしれません。つい最近もフリーダムノベルはそのクレイジーさを披露したトコですし。
Freedom novel :: ネット小説募集
http://freedom-novel.com/index.php?cID=151
そこでフリーダムノベルは、新しい書きかたは作家様が一番理解していると考え、作家様に好きに編集してもらう事にしました。
イラストレーターも作家様が自分の本に合うイラストレーターを見つけて構いません。
ブックデザイナーと校正はフリーダムノベルの方に任せてもらいます。
(中略)
売れ数5000冊まで定価の7% 売れ数5000冊以上は定価の10% また、作品が売れたから、または売れなかったからと言って契約変更はしません。
編集作業を全て作家に丸投げにした上に、印税は刷数じゃなくて売上数で支払いとかどんだけー まぁ、フリーライフの騒動の時に知ってたけどさ!
ちなみにフリーライフはデザイナー不在なせいで帯がWordで5分で作ったような適当っぷりでしたね…*1
もちろんフェザー文庫の時にも色々とやらかしております。
フェザー文庫に関する注意喚起。 | まいじゃー推進委員会!
http://maijar.jp/?q=node/5820
学生だからあまり大量の絵は描けない →1巻時の契約は表紙絵1枚と挿絵10枚の買い取り →2巻は2月発売で挿絵100枚以上の依頼 →40枚が限界 →100枚以上は譲れない →無理
いくら商業出版出来るという甘い飴があるとはいえ「小説家になろう」の作家には林檎プロモーションには絶対関わるなと再度忠告したいです。*2
編集業という大切な仕事
「MFブックス」が成功するかどうかはぶっちゃけ編集者のクオリティに掛かっていると思います。
実際、Web小説の書籍化で成功しているヒーロー文庫は一人のスーパー編集者で成り立っていると言えますしね。
新文化 - 出版業界紙 - 連載 - 衝撃ネット小説のいま
http://www.shinbunka.co.jp/rensai/netnovel/netnovel05.htm
四季童子氏をはじめとする一線級のイラストレーターを高原氏が口説き落とした。
(中略)
しかしスーパー編集者がひとりでやっているからこそカラーは鮮明になり、「ヒーロー文庫にはハズレがない」と言われるクオリティの高さを実現、返品率が極端に低いレーベルができあがる。
ちなみにもう一つ成功しているレーベルのエンターブレインはカルビ大好きF田さんという編集者が居ます。
担当のF田さん (たんとうのえふたさん)とは【ピクシブ百科事典】
http://dic.pixiv.net/a/%E6%8B%85%E5%BD%93%E3%81%AEF%E7%94%B0%E3%81%95%E3%82%93
かように可愛らしい話題の尽きない女性であるが、アニメ化した「まおゆう魔王勇者」(累計60万部)や「ログ・ホライズン」(累計30万部)に加えて、井上純一氏の「中国嫁日記」(累計20万部)、2万人を越えるフォロワーを擁するTwitter小説「ニンジャスレイヤー」(累計10万部)の担当でもあり、その正体はドル箱のヒット書籍を続々と世に送り出す敏腕編集者である。
ですので「MFブックス」もカリスマ編集者が居ればすごく化ける可能性があると思います。とはいえ、黄金期のMF文庫Jを築き上げた編集者たちは殆どオーバーラップ文庫に移籍しちゃったからなぁ… 不安…
出版社がやってるのは焼畑農業なの?
Web小説の書籍化を「焼畑農業」に例える人が居ますが、それはWeb小説に詳しくない人が言っている誤解だと思います。敢えて言うなら「青田買い」が近いんじゃないかと。そもそも焼畑農業は周囲をペンペン草も生えない焼け野原にする農業じゃないですし。*3
もし「焼畑農業」の原義通り、ローテーション型省力農業という意味で言っているならある意味正しいです。実際、多くの書籍化で長らく連載が止まっていた作家が休眠覚醒して連載再開とかもありましたし。
それに注目度が集まることで多くの作家が注目し、どんどん新しい作品が生まれてきて、更にジャンルランキングやセカンドランキングを見れば分かるようにバラエティに富んだ作品が増えてきてますしね。まぁ、総合ランキングは相変わらずですが。
だからどこぞのラノベの賞に落ちたからと「小説家になろう」に投稿する、という人もチラホラ居るし、もしかしたらそれで書籍化ということもありえるかもしれません。
だから持続的に新しい作品はまだ増えていくと思いますので、他のレーベルが参入する可能性は充分あるかと。狙い目はノクターンノベルズかなぁ…?(笑
追記:
はてブコメントで「食指は動かすだろm9(^Д^)プギャー」的な本論と関係ないうっざいことこの上ないコメントが付いたので「ググって確認したのにおかしいなー」と参考にしたYahoo!知恵袋のはてブ見たらベストアンサーが間違ってるみたいですね! すみません! という訳でタイトル直したよ! これで良いですか! 判りません!
まぁ、言語なんてそもそも生き物ですから…(震え声
*1:スコッパー速報 フリーダム文庫の帯が酷いと話題に http://scoopersokuhou.blog.fc2.com/blog-entry-290.html
*2:ここ最近Web小説を書籍化しているレーベルの傾向と対策 - フラン☆Skin はてな支店 http://d.hatena.ne.jp/furan/20130308/1362704370
*3:焼畑農業 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%BC%E7%95%91%E8%BE%B2%E6%A5%AD