祝! 「異世界から帰ったら江戸なのである」がエンターブレインから書籍化!

書籍化のお知らせ|左高例の活動報告
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と云うわけで「異世界から帰ったら江戸なのである」が角川エンターブレインから書籍化されることになりました
声を掛けて頂いたエンターブレインの担当さん、作品を発表する場をくれた小説家になろうの運営さん、ありがとうございます

やったー! ついに書籍化ですよ書籍化!
これは本当に嬉しいなぁ。
このブログでは昨年の7月に紹介しましたし、半月前もtwitterで叫んだばかりです。



タイトルから判る通り舞台は江戸時代! それも徳川吉宗の治世であった享保の江戸なんですよ! ですがそれ故にマニアックすぎて殆どの人に「何で江戸?w」「何で異世界経由してんの?w」とタイトルにツッコミ入れられるだけで読まれないこのジレンマ…! 個人的には良いタイトルだと思うんだけどなぁ…
夏コミで会ったラノベ好き相手に「今の『はがない』より好き」と言ったら「そんなに!?」と驚かれましたけど、実際それくらい好きです。
ちなみに何で比較対象に「はがない」を選んだかというと、「異世界から帰ったら江戸なのである」の骨子の一つは”鈍感系主人公と彼の事が好きな残念系美少女たち”だからです。まぁ、主人公の九郎以外にもモテ期が結構来てたりするからハーレムモノというわけではないのですが。
しかも主人公の九郎の事が好きなヒロインが濃い残念キャラばかりで… 水木しげる御大も参考にした妖怪絵師のアラサー後家の鳥山石燕、陰間(水商売の男の娘)の玉菊、そして呉服屋の娘でお転婆なお八等々とね! 割りと残念系ヒロインが多いんですよ!
というか九郎は割りと理想のヒモ生活している気がしないでもない。


とはいえ、この作品の面白さで気に入っているのは享保の時代背景を練り込みながら、メタ的に現代日本のオタクネタを入れ込んでくるその手腕です。
具体的に言うと作中では幕閣から追い落とされた新井白石が天爵堂というPNの作家として登場するんですが、彼の大岡越前嫌いは史実に残るくらい有名でそのネタを弄っている時のワンシーンがこんな感じ。

ともあれ、新井白石である天爵堂と南町奉行所大岡忠相は大層に仲が悪いそうであった。

「先生、今度は連載終了させられた嫌がらせに『無痔奉行(ムヂブギョー)』って話を書くとか言い出すし……目安箱によって作られた架空の奉行所で痔持ちの奉行らが痔と戦うというもはや何が面白いのか。大岡様が痔だからって」
「多分石燕の入れ知恵だぞ、その題名」

 げんなりと九郎は半目で呻いた。それも歴史に残して欲しくないのであるが……

何で江戸時代の人間がムシブギョーを知っているんだよ! と突っ込んだら負けです。この作品はこういったネタが大好きなんだから!
ちなみに大岡越前が痔主だったというのも史実に残っています。*1


そして肝心の主人公である九郎ですが、タイトルから大まかな想像は出来ると思いますが彼の経歴は大体こんな感じ。

  • 現代日本で貧乏に暮らしているある日、異世界ペナルカンドに転移
  • 異世界ペナルカンドで何だかんだありながらも老人になるまで過ごす
  • 気にかけていた少女が魔女化して処刑されそうな所を助けるも、瀕死の重傷に
  • 魔女ともう一人の協力で命を取り留めるも、副作用で少年の姿になり不老に
  • 災厄を起こす魔女を窘めながらの珍道中
  • 魔女が魔王とその侍女と魔王城に住むことになって更にカオスに
  • 魔王たちが勇者に滅ぼされる直前に九郎を元の世界に転送!
  • 確かに日本に戻れたが300年ほど時代がずれていて江戸時代だった
  • たまたま知り合った蕎麦屋の六科の家に居候(←イマココ


九郎は精神的に90歳超えの老人だから性的な意味で枯れてるし、アラサーの石燕相手でも孫を相手にしているような感じなのでラブコメ展開も一方通行。
まぁ、異世界ペナルカンドでも長寿なエルフのスフィ相手にもアレだったし、恋愛機能が元から未実装という気がしないでもないな!


兎に角、超面白い作品なのでみんな読んでみると良いよ!