「小説家になろう」で最近お気に入りの内政・戦記モノ5選

今年に入ってからボチボチ時間が出来たので総合ランキングや私が専ら利用しているジャンルランキングとか見たり、作者さんのお気に入りを漁ったりとスコッパー的なことをしてて気付いたんですが総合ランキングに女性向け作品が結構入ってきてますね。女性ユーザーが増えてきたという事実が実感出来ます。
とはいえ相変わらず「異世界転生俺TUEEE」モノが人気なのは確かです。ですが、歴史モノが上位に入ったり戦記モノもボチボチ入ってきたりと雑多な感じになってきて割りと良い傾向ではないでしょうか。
そんな中で私が最近お気に入りに入れた作品の多くがNAISEIこと内政モノです。


内政モノっていうのがどういうものかというと、簡単に言うとまおゆう魔王勇者で魔王がじゃがいも普及したりノーフォーク農法導入したりしたアレです。
広義で言えば最近アニメ化した「甘城ブリリアントパーク」で可児江西也が財政再建するのも内政モノに入るでしょうし、「ドリフターズ」でノブノブが火縄銃を量産化したりするのも内政モノと言えるでしょう。
俺SUGEEEが内政モノ、とざっくり把握したんでも問題ないかもしれません。

  • 現実主義勇者の王国再建記 〜レベル低めで、内政マシマシ〜 (『勇者様は現実主義者』より改題)
    • 作者:どぜう丸
    • あらすじ:魔王軍に世界の5分の1を奪われ人類が帝国を中心に結束する世界。帝国の人類宣言に加盟していない王国が帝国の圧力に屈して実行した勇者召還。その召還で招かれたソーマは自分の身を守るために国王に色々と献策した所、何故か王位を譲られてしまい…
    • 主人公の傍に姫騎士が侍ったり、主人公が有能だったりとある意味甘ブリに近い作品と言えます。主人公のソーマは普通の大学生かと思ったらマッキャベリと孫子大好きな現実主義者。現実主義者らしい手腕で王国内の飢餓対策に奔走したり、災害対策をうったり、内乱をあっという間に鎮圧したりします。全般的に何かしらの問題が起こった場合はその要点を的確に把握し、地球世界の類似問題から模範解答を導き出しているって感じです。脳筋バカを冷徹に厳然にやり込める所はちょっとスカッとしますね。
  • ウロボロス・レコード 〜円環のオーブニル〜
    • 作者:山下湊
    • あらすじ:現代日本から転生した伯爵家次男トゥリウス・シュルーナン・オーブニル。彼が恵まれた環境で願うのは二度と「死」という虚無を体験しないこと。そのために彼は「不老不死」を求めて卑賤な職業と言われる錬金術に耽溺し…
    • 主人公がド外道。「目的のためには手段を選ばない」という言葉だけでは言い表せない外道で下衆で。一周回って清々しく感じたと思ったら、もう半周回って気持ち悪い的な何か。人体実験なんてまだ可愛いモノで、自分に忠実な奴隷を脳改造でつくり上げるわ、本人の矜持を洗脳ですり替えて尊厳を踏みにじるわとやりたい放題。それでも全ては不老不死のために最短ルートを行っているだけとしか認識していないトゥリウスの狂気が凄い。最近は実兄と老獪な貴族の面倒事に巻き込まれてましたが、そこでの裁判はかなり読み応えがありました。外道耐性がある人にはお勧め。
  • 魔王は世界を征服するようです
    • 作者:不手折歌
    • あらすじ:元大学の研究生で現引き篭もりの三十路男が川で溺れて死んで転生した先は問題山積で滅びかけの王国に仕える将家の傍流で牧場主の息子。気ままに牧場主を継ごうと思っていたら何故か本家の当主候補になり学校にも通うように。新たな人生をエンジョイしながらも将来訪れる国の滅亡から生き残るために色々手をうっていき…
    • タイトルに魔王と入っているけど、魔法要素は皆無です。ですがかなり面白いです。全体的な雰囲気はなんとなく無職転生を彷彿としないでもないですがかなり別物。内政的には天才児の従妹を英才教育したり、学校の単位を取り過ぎて暇だからと製紙業を立ち上げたり謄写版印刷でBL本売って荒稼ぎしたり天測航法を作り上げたりと色々やってますね。次は何をやるんだろうと楽しみだし、主人公ユーリのキャラも面白くて好きです。
  • エルフ転生からのチート建国記
    • 作者:月夜流星
    • あらすじ:魔術を極めぬままに老衰で死ぬのを嘆いた天才魔術師が自らを輪廻転生を繰り返すことで擬似的な不死を成し遂げ、31回目に転生したのは人間に虐げられたエルフの村に住むエルフの少年シリルだった。ある日、前世の知識を一部取り戻したシリルは大事なモノを守るために31回分の人生のスキルを活用して理想の国を創りあげようと立ち上がり…
    • 私がこの作品を評価している一番のポイントは魔術を併用してとはいえハーバー・ボッシュ法で窒素固定をしちゃう所です。人類最高にして最悪の発明であるハーバー・ボッシュ法は文明発展に必須でしょう。他の内政モノに何故出てこないのか不思議でならないくらいです。文体とかキャラクターがちょっとむず痒い感じがしないでもないですが、割りと面白いです。
  • 火輪を抱いた少女
    • 作者:七沢またり
    • あらすじ:大陸を平定した太陽帝の威光が降り注ぐホルシード帝国。その帝国のどこかの教会で行われている残虐な計画。そこで一度死に、蘇った少女が流れ着いた辺境の村で、とある反乱軍に巻き込まれることから転回する運命という名の物語。
    • 既に書籍化決定済み。七沢またりさんによる「死神を食べた少女」「勇者、或いは化物と呼ばれた少女」に続いてのクレイジーな女主人公が突き進んでいく戦記モノ。味方に脚を引っ張られながらも精一杯やり、信頼できる仲間を得て幸せになるために屍山血河を作り上げていくという物語。作者の他作品を知っていれば大体どんな感じか判るかと思います。何故こうもこの作者はクレイジーな女主人公ばかり書くのか。それが面白いんですけども。

おまけ:個人的に好きなジャンル「TS」のお勧め

  • World's End Online Another -僕がネカマになった訳-
    • 作者:yuki
    • あらすじ:VRMMORPG「World's End Online」をプレイしたいが人気すぎてアカウントが取れないでいた少年カナタ。腐れ縁の友人ハルトの妹ハルがアカウントを譲ってくれることになったんだけど、譲る条件としてハルが作った美少女アバターを使って育成が茨の道である支援職業の”司祭”になってくれというもので…
    • 同じ作者の「World's End Online」のスピンオフですがこれ単体でも面白いです。TS好きなこの作者さんはネトゲネカマを題材に扱うことにかけてはピカイチの手腕を持っていると言えましょう。素晴らしい。天然白ネカマのカナタちゃんハァハァ。ちなみに前作を読んでいると2倍楽しめます。