ガンガンONLINEの触手エロ描写が過激な「悪魔と俺」単行本発売中止事変

  1. ガンガンONLINEにて「悪魔と俺」という触手エロ描写が過激なWeb漫画が公開される
  2. Web漫画ということもあり、漫画好きの中でも一部でのみ話題に
  3. 単行本化が決定されるが、直前になって発売中止が決定。(肉体の宴 今年厄年だけどもう少し手心を加えて欲しいですよゴッド。
  4. 見本誌まで回収され、当然入る予定だった印税収入もパーになり、出版社からの補償もなし。(肉体の宴 もうやめて!ヨシカワーヌのHPは0よ!
  5. 複数の出版社からオファーを受ける(肉体の宴 地球のみんな、オラに元気を分けていただいてありがとうございます。)←今ココ

取りあえず他の出版社から単行本が出せるっぽいので、ギリギリのラインで首が繋がったみたいです。
現実的に考えて、漫画家は印税収入がなかったら生活できないので。しかし印税が入る時期は確実に延びるので何とかしてそこまで生活費を稼ぐ必要はありますが。


でー、何故このような事態が起こったかを考えると真っ先に思い浮かぶのはやはり児ポ法改正の問題。
解散に伴い廃案になる見通しが現在は立っているとはいえ、出版社のお偉い方々が過敏になるのは当然と言えましょう。

アタシや担当の人の手に負えないところでの決定っぽいので、

どうやら編集長の決定どころか、更に上の部署での決定の可能性が濃厚ですね。
「悪魔と俺」に対する個人的な印象としてはエロ描写のレベルはチャンピオンRED以上ヴァルキリー未満といった所ですが、一応お子様向けのゲームタイトルを多く出しているスクエニ的にはその範囲で充分NGということでしょうか。
「悪魔と俺」の痕跡が徹底的に消されている所とか、唖然とする念の入れようです。


で、今回のゴタゴタでの問題点とか疑問点とか纏めてみました。

そもそも過激過ぎる
そこら辺の判断は漫画家本人より編集部の責任。編集長がGOを出した時点で編集長が責任を負うべき。責任者は責任を負うのが仕事で、それを下請けの漫画家に被せるのは社会的に見て間違っているのは明らか。
直前の出版停止は酷い
読者、作者の期待を裏切るだけで充分酷いです。小売りとかへの説明もあるし営業さんは大変かと思います。プレスリリースを出しておきながら発売直後に中止し、プレスリリースさえなかったことにする会社なんて普通では有り得ません。
補償がないのはおかしい
芳文社*1、もしくは一部メジャー誌の売れっ子漫画家以外は契約書の取り交わしがないのが当たり前の漫画業界ですので、今回の件も契約も口約束のみである可能性が高いです。正式契約がなければ当然補償義務もないので編集部がバックれれば漫画家は泣き寝入りするしかありません。これは業界の構造上の問題ですので根深いです。
他の出版社から単行本出せるの?
そもそも上記のように契約書がないので、他社からでも出せるはずです。原稿料は基本的に雑誌に載せる対価なので問題ないはず。問題があるとすれば、(流石にないとは思いますが)編集部が原稿返却を渋る場合でしょうか。


現行法の改正の見通しにより慎重になるのは仕方ないですが、今回のはやり方えげつないと言われて当然のやり方でスクエニの評価がガタ落ちですね。
アキバBlogでのコラムもすんげーうさんくさく感じるようになって信用性もガタ落ちで、新人の応募数も減りそうな予感。
ひぐらし」や「うみねこ」のグロ表現はGO出してるのに、「悪魔と俺」のエロ表現はNGとかやはり「売れれば正義」なのかと勘ぐられても文句言えないんじゃないかなー


百歩譲って発売中止が仕方ないとしても、編集長が漫画家本人のトコに土下座で謝りに来て*2(今までのは読めなくするのは仕方ないにしても)ガンガンONLINE上で正式アナウンスをするくらいは当然でしょう。
作家がブログを持つのが当たり前の昨今、痕跡を消そうとするのは火に油を注ぐだけというのが判らないのかなー
その程度のネットリテラシーがないのにWeb漫画雑誌を運営するとは片腹痛いっつーか。こんなことがあるから、「編集部は悪」という一方的なイメージが定着していくんだろうなぁ…


もしかしたら児ポ法云々は関係なくて、スクエニの偉い人がキャバ嬢に「俺のトコ、エロ漫画も出してるんだぜ」と言えないから、とかそんなアホな理由だったりして…(笑

*1:かなりえげつない7年縛り契約が有名

*2:例:かつ丼日記 : 殴り込んできた。