マンガ大賞2017受賞「響 〜小説家になる方法〜」作者の柳本光晴さんこと同人サークルTTTのミハルさんについての思い出とか

ミハルさんおめでとうございます!
ブログで散々自虐的なネタを書いておきながらマジで受賞するとかギャグが高度すぎるよ!
でも、そういうのをひっくるめてミハルさんらしいんですよね。

響 〜小説家になる方法〜」について


ざっくり簡単に説明すると「圧倒的な才能を持った天才が、凡才や秀才を作品や物理でぶん殴る」作品です。
主人公の響のキレッキレな言動には震えがくるんですよ!
現在ビッグコミックスペリオールで連載中。


ちなみにロースおじさんがとてもいい感じにレビューしているので、是非そちらも御覧ください。

【ロースおじさんのとんかつ教室】「響」 | ヌートン 新たな情報未発見メディア

同人サークルTTTの同人誌

私が知る限りだと、確かひぐらしの同人誌を描いていたことがあるらしいんですけど当時はサッパリ売れなかったらしく…
その後京アニの「涼宮ハルヒの憂鬱」が沸いた頃にハルヒの同人誌ハルヒかわいい」シリーズを出して、一世を風靡したんですよね。

私が知り合ったのも丁度この頃でしたね。
私は今でも変わらないけど、当時から即売会で直接「貴方のマンガ、超面白くて好きです!」と伝えて仲良くなることがあって、一緒に飲んだりとか行ったりしましたねー
まぁ、当時のハルヒ同人面子で今でも連絡取って飲みに行くのってニリツさんくらいだけど。


で、ハルヒ同人誌「ハルヒかわいい」でブレイクしてからも色々描いててハルヒ以外の二次創作同人誌を描いたりも。



私が持っている同人誌だと東方Projectとか咲-Saki-といった百合系の作品にも手を出してましたね。
ハルヒ同人誌で長門と朝倉さんの百合本をだしてたけどマジで百合もいけるんだ、と驚きましたがそれ以上に驚いたのは各種エロ同人誌でしたね。



おおきく振りかぶって」のモモカンや「もやしもん」の長谷川遥とか題材自体もマニアックですが、それ以上にむわっとしたワキ毛生えまくりのワキコキとかネタが高度で濃度も高いというか。
何というか、その、異彩を放ってましたね…!


そしてミハルさん渾身のオリジナル作品がこの「日菜子さん」シリーズです。



天才少女とイケメン彼氏のラブラブモノという「響 〜小説家になる方法〜」に通じる作品ですね。
ちなみにこの日菜子さんとイケメン彼氏の野々宮くんですが商業での読み切り「関口さん」にも脇役として登場しています。
この読み切りは「きっと可愛い女の子だから」に収録されていますので「日菜子さん」シリーズが好きな人には是非読んで欲しいです。



柳本光晴さんとしての作品履歴

同人誌「日菜子さん」シリーズが一区切りつきそうな頃にビッグガンガンで何本か読み切りを描くもそこでは単行本にも連載にもならず、月刊アクション「女の子が死ぬ話」を描いて連載デビュー


女の子が死ぬ話 (アクションコミックス)
双葉社 (2014-04-30)
売り上げランキング: 1,175


ハルヒかわいい」を知っていただけの人はその壮絶な内容に当惑しつつも面白さに震えていましたね。
その後はビッグガンガン掲載分を追加して短編集「きっと可愛い女の子だから」を出し、そちらも人気も出たみたいなんですがそこで徳間書店は何を思ったのかそのまま放出。
次は小学館からアプローチを受けてスペリオールで始めたのが「響 〜小説家になる方法〜」です。



連載開始以降は読み切りも同人誌も描かず、ずっと「響 〜小説家になる方法〜」一本ですね。
たまにブログでコミティアで同人誌出したいとか言ってますが。(笑

柳本光晴さんこと同人サークルTTTのミハルさんについて

以前ブログでもサラッと書かれてましたが若い頃に某出版社でバイト編集をされていたんですよね。
そのせいなのか、同人作家だけで終わるつもりはサラサラなかったように思えます。


実際同人時代に何度か一緒に飲んだ時に感じたんですが恐ろしく向上心がある人でしたね。良い意味で貪欲です。
ハルヒ同人誌を描いていた人は多いですが、才能はあれども商業に行かなかった人も結構な数を見てきました。
そんな中、ミハルさんは漫画が面白かったけど、それ以上に「売れたい」「人気が欲しい」という向上心が強かったように思えます。
もちろん、それは「壁サークルになりたい」みたいな小さな世界の話ではなく「(ワンピース並に)商業で売れに売れたい」というレベルの向上心です。
多分、作家としてミハルさんが持つ一番の才能はこの向上心だと思います。


そして同時に画力に対するコンプレックスも持っていましたね。
何度か自虐的なネタにしてきましたし、今回の受賞スピーチのネタにもしてきたようですが。(笑
素人目には充分上手いと思うんだけど、たしかに所謂萌え絵とは別ベクトルの上手さですしね。
恐らくミハルさんは自分が考える最高に可愛いヒロインを描けるだけの画力が欲しいのではないでしょうか。
響も純粋にミハルさんが考える最高に可愛い女の子を描いているだけみたいですしね。


あと、向上心とコンプレックスのせいなのか権威的なモノに弱いですね。(笑
「このマンががすごい」に載るかどうか気になってたようだし、今回のマンガ大賞ブログでスピーチ原稿をネタで書いてたくらいだし。(笑
その中で語っていた

…僕は、同人誌出身なので、今までに新人賞とかの、漫画家になるためのきっかけとなる賞を頂いたことがなく…
それが自分の中でコンプレックスでもあって。いまだに、自身が漫画家という自覚があまりないままに漫画を描いていたのですが
(会場笑い)
今回、僕にとって、初めての漫画の賞を頂けたことで、ようやく自分が漫画家なんだと自覚できた気がします。


とかは割りと本音じゃないかな、と思います。


とても良い作家さんだし、才能もあるんですが、ちょっと変わった人であったことは確かです。
その… むわっとした匂い立つワキ毛フェチとか… 色々な意味で…

オマケ

ミハルさんと僕。

例の本を買いました。例の。

「このマンガがすごい」


いち、漫画ファンとしてね。個人でも一応漫画なんかを描いて、今年は単行本もだしましたけど、そういうのは全然考えなかった。そういえばこの手の本買ったことないなあと思って。なんとなく。初めて買った。


(中略)


しかし、あれだな。同人時代、知り合った評論系のサイトしてる方とかもランキングに参加されてて、というかフランスキンさんとか、知り合いなのにがっつりスルーされてたな。
手心なしという。なるほど。この本は信頼できる。

例の本 | 同人サークルTTT


いやー、あの時は申し訳ないというか。(笑
響 〜小説家になる方法〜」は超面白かったので投票するつもりだったんですが、その時には審査員からがっつり外されていましてね…

オマケのオマケ

ビッグガンガンで読み切りが載った頃に即売会でゴルゴさんと二人して会った時の会話。


ミハル「今度は○○ッ○ーに持ち込もうかと思うんですよ」
フラン「○○ッ○ーですか…」
ゴルゴ「あそこは…」
ミハル「え? ダメですかね?」
フラン「いや、あそこは△□寺とか面白い作品はあるんだけど… 数巻で終わってしまう作品が多いというか…」
ゴルゴ「そうそう」
ミハル「そうかー 外側から見るとそう感じるんだー…」
フラン「?」
ゴルゴ「?」
ミハル「実は昔、数年ほど○○ッ○ーでバイト編集をしていましてね…」
フラン「Σ( ̄□ ̄;)」
ゴルゴ「Σ( ̄□ ̄;)」


今となっては良い思い出です。(多分