エロゲと少年漫画とラブコメと

ご注意:この記事には「五等分の花嫁」と「ぼくたちは勉強ができない」のネタバレが含まれますので単行本派の人はご注意ください。

ラブひな」とは

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赤松健が「AIが止まらない」完結後に満を持して週マガに帰還して連載を開始したラブコメ作品。
今となっては意外かも知れませんが「ラブひな」はヤンキー漫画全盛だった週マガをオタク向けへとシフトさせた恐ろしい作品なのです。


現在はマンガ図書館Zで全巻読めますがざっくり説明すると…
「大きくなったらふたりでいっしょにトーダイ行こーね」と約束をした幼馴染みと再会するため、多浪をする浦島景太郎が祖母が経営する旅館に住み込みに行ったら女子寮になってて管理人をやりながら同居する女の子たちとラブコメしつつ東大を目指す物語です。
当時のオタクの人たちはみんな思いました。


とらハ2」じゃねーか! と。
(※ブコメで指摘されましたがとらハ2はラブひなより後でした。私の記憶間違いでした、すみません)

エロゲのとらハシリーズ*1を即座に連想するくらいにエロゲ、ギャルゲ要素がてんこ盛りなんですが、エロゲ要素を少年漫画に輸入するのは当時はとても画期的だったのです。
ちなみにこの作品は終盤でメインヒロインの成瀬川なるは「自分は約束した幼馴染みではないかも…」と思いグダグダするんだけど、景太郎は「思い出の女の子じゃなくても成瀬川のことが好き」と言ってくれるんですよね。


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つまり「景太郎が選んだ女の子がたまたま約束した幼馴染みだった」という構成なわけです。

「五等分の花嫁」とは

五等分の花嫁(1) (週刊少年マガジンコミックス)


赤松健のもう一つの代表作「魔法先生ネギま!」の主人公、ネギ=スプリングフィールドからPNを取ったくらいに赤松健ファンな春場ねぎさんが週マガで連載したラブコメ作品。
瀬尾公治流石景が捻じ曲げてしまった週マガ的ラブコメを、元の赤松健的なものに戻した作品でもあります。


今更説明する必要もないと思いますが、貧乏苦学生の上杉風太郎が父親が見付けてきた家庭教師のバイト先が五つ子だったことから始まるラブコメです。
ただ、選んだヒロインの結婚式の回想から始まるというのは斬新でしたね。


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読めばわかるんですが、選ばれるヒロインは初めから伏線が張り巡らされており、丁寧に読み取っていけばわかるんですよね。
魔法先生ネギま!」も「UQ HOLDER!」で答え合わせされる前にガチファンの間では千雨が選ばれたことがほぼ確定情報として扱われてましたが、同じように理詰めでわかるのです。
ブコメとしての面白さがあるのはもちろんなのですが、ミステリー要素も強かったように思えます。


ちなみに主人公の風太郎と五つ子の一人である四葉は小学生の頃に修学旅行先の京都で出会っている「思い出の幼馴染み」なんですが、それが決め手となったわけではありません。
この作品も風太郎が選んだ女の子がたまたま約束した幼馴染みだった」という構成なわけです。
ここにも赤松健の遺伝子が感じられますね。*2

ニセコイ」とは

ニセコイ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)


キムチ。
かつてヤマカムの山田さんは言いました。
「『ニセコイ』はジャンプ史上最長連載のラブコメだから一番面白いに決まっている! Q.E.D.!」
と。


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そうだね、一番面白いに決まってるよね!(棒


閑話休題


この作品のアレっぷりは指摘してたら終わらないくらいにアレなんですが、結局のところは主人公がクソだったというのが一番なんですが、
「どれだけ他のヒロインが好感度を上げても『約束された勝利の幼馴染み(エクスカリバー)』にはかなわない」と読者に感じさせる構成のクソさが最悪でした。
私は観てないですけど、実写劇場版はそこが改善されて面白かったらしいですね。
私は観る気ないんですけども。

ぼくたちは勉強ができない」とは

ぼくたちは勉強ができない 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)


ニセコイ」のスピンオフ「マジカルパティシエ小咲ちゃん!!」を描いていた筒井大志さんが週ジャンで連載しているラブコメ作品。
古味直志が破壊した週ジャンのラブコメを再構築した作品でもあります。


今更説明する必要もないと思いますが、貧乏苦学生の唯我成幸が推薦枠確保のため同級生の家庭教師をすることから始まるラブコメです。
一応言っておくと「五等分の花嫁」より半年ほど始まるのが早いです、念の為。


二人のヒロインから始まった作品ですが、ハーレムラブコメとしては当たり前なんですがヒロインが増えていき最終的に5人になったんですが、人気投票では大方の予想を裏切り桐須真冬先生が不動の一位でした。


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これを見てかつてヤマカムの山田さんは言いました。
「『ぼくたちは勉強ができない』というタイトルなんだから教師がヒロインなのはおかしい! 怠慢教師勉強できるじゃん! はい論破!」
と。


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「『桐須先生は家庭科ができない』だよ」と指摘したらぐうの音も出なかった模様。


閑話休題


現代を舞台にしたラブコメ作品だし一人しか選ばれないのは仕方がないのですが、昨年末からの本誌連載でうるかルートに入っていて少数のうるかファン以外が困惑したんですよね。
しかも決め手となったのが過去に成幸を救っていたエピソードを土壇場で出してくるという「どれだけ他のヒロインが好感度を上げても因果を逆転してしまう『斬り抉る戦神の幼馴染み(フラガラック)』にはかなわない」な構成には思いっきり失望しました。
お前、「ニセコイ」からなんも成長しとらんやんけ! と。
ジャンプ作品から学ぶなら「すんどめ!! ミルキーウェイ」みたいにアナザーエンドを描いてマルチエンド化しろと!


グランドジャンプ むちゃ 2020年3月号


同じ集英社だとライトノベルだと「ベン・トー」なんかもっと前に12巻でマルチエンドしてたんだぞ!


ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス (集英社スーパーダッシュ文庫)


特にメインヒロインの槍水先輩を差し置いて一番人気の著莪なんてエロ展開もあるくらいなんやぞ!
と、憤懣やるかたなく思ってたんですが…


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「ぼく勉」パラレルストーリー、開幕!


やったのか!! 筒井大志!!
赤松健が取り入れたエロゲ要素をここに花開かせるのか、筒井大志!!!





おい……見てるか赤松健……


五等分の花嫁(13) (週刊少年マガジンコミックス)


お前を超える逸材がここにいるのだ……!!


ぼくたちは勉強ができない 15 (ジャンプコミックスDIGITAL)



それも……2人も同時にだ………
赤松健……

*1:のちにスピンオフで誕生するのが「魔法少女リリカルなのは

*2:ちなみに「ラブひな」と同じ全14巻